脾は食べ物や飲み物を摂ることを通じて気・血・津液を生みだす中心的な臓です。いわば脾は人体における「工場」のような存在です。飲食物を消化吸収して気や津液のもとになる水穀の精微をつくり出すはたらきを担っています。西洋医学的な表現をすれば脾は胃腸を含めた消化器系全般の機能を持った...

人が生命を維持するのに最も基本となる部分を担当している心臓は循環の原動力としてのポンプ役を担っていますが、 同時に意識や精神活動、 脳の働きに関係する部分も心臓の働きとしてとらえることが出来ます。 間接的に睡眠の仕組みとも関係します。 血を全身に送り出し、巡らせる...

中医学における肝の主なはたらきは気・血（けつ）・津液（しんえき）の巡りをコントロールすることです。 特に気と血の巡りに強く関係しています。 これらの流れを調節するはたらきを疏泄（そせつ）と呼びます。 それ以外にも肝は血をためたり、精神状態の安定化にも貢献しています。...

内臓＝臓腑 五臓は肝、心、脾、肺、腎のことで気　、血、津液などの維持に必要な栄養物質を作り蓄えます。陰と裏に属します。 六腑は胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦のことで飲食物を消化して排泄します。陽と表に属します。 臓腑はそれぞれ表裏関係があります。

相克の過剰-相乗 一方の抑える力が強すぎて他方が正常に機能しなくなることをいいます。 相克の関係が逆転する-相侮 抑えられる方の力が強すぎて抑える方が抑制されることをいいます。

相生の関係 一方が他方を生み出す関係を相生といいます。 木(燃えて)→火(燃えた後の灰)→土(を掘ると)→金(表面に犠結して)→水(木を養う) この関係が循環します。 相克の関係 木(養分を吸ってしまう)→土(吸ってしまう)→水(消す)→火(融かす)→金(切る)→木...

すべての事物や自然現象には「木・火・土・金・水」の性質があります。

木の特性-曲直-上へ外へと伸びていく 育つ、昇る、発散する作用のある事物が「木」に含まれます。 火の特性-炎上-上に燃え上がる 暖かい、上昇する、明るい事物が「火」に含まれます。 土の特性-稼稙-農作物を育てる 受け入れる、養い育てる、分解して変化させる事物が「土」に含まれ...

陰陽のバランスがとれているとき-健康 陰陽のバランスが崩れたとき-病気 中医学の基本は 過剰なものは、排出し 不足なものは、補い 身体の陰陽のバランスをとることです。 陰が過剰な状態-陰盛 寒気、冷え、腹痛、下痢→寒邪をとる 陽が過剰な状態-陽盛...

身体のなかには無数の陰陽が存在し、陰陽のバランスが取れて健康となります。

すべてのものは陰と陽が対立しながらも互いに影響し合って成り立っています。 陰陽の関係は対立しあう一対の組あわせで起こります。 昼と夜、夏と冬、動と静などです。 夏と冬の陰陽では、夏至に陽の気がピークに達し、その後、陰が増え始めます。これを陽が陰へ転化するといいます。これが季...

人のそのときの状態を証といいます。 体質、症状、病気の場所・性質、原因、精神状態などから分析してタイプ別に分類されています。証に基づいてオーダーメイドの治療を行います。 治療法は針、按摩、湯液(薬物)、気功、薬膳などです。

弁証 四診によって証を導き出すことを弁証といいます。 四診とは望診、聞診、問診、切診の四つの診断法です。 証とは人の状態をタイプ別に分類したものです。 論治 証に従って治療を行うことです。 このように、個々の体質・体調、季節・気候に応じて薬や食事を変える中医学の方法は、慢性...

六気 自然条件は人に影響を与えます。 自然界には風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の六つの気が存在し、季節によりどれかひとつが多くなることがあります。たとえば、梅雨の季節には身体に湿気がこもりやすくなり、むくみや冷えなどの症状が出ます。そういうときは、体にたまった余分な水分を出す...

食べ合わせ 禁忌 体質、年齢、病状によって食べてよいもの、悪いものがあります。 季節、気候、場所によって食べてよいもの、悪いものがあります。

食材や生薬がどの臓腑に作用するか表したものを帰経といいます。 帰肺経-肺、鼻、のど、体表 帰腎経-腎、膀胱、耳、髪

春 風邪、頭痛、めまい、花粉症など上半身に症状が出やすい季節です。 体表の邪気を祓い、肝の高ぶりを鎮める食材をとりましょう。 梅雨・長夏 湿邪が多い時期で、身体に余分な水分がたまりやすくなります。 身体にたまった余分な水分を排出する食材、脾の余分な水分を取り除く食材を食べま...

辛・甘・酸・苦・かん　の五味をすべて組み合わせることで味のバランスがとれます。 青・赤・黄・白・黒　の五色を組み合わせることで見た目が美しい料理ができます。 五味五色にはそれぞれ意味があり、季節や体質、体調によって食べたほうが良いもの、そうでないものがあります。

食材を摂取したときに身体を温める作用のある食材、冷やす作用のある食材、そのどちらでもない食材があります。 冷え性の人が冬に生野菜や冷たいものを食べるとさらに身体をひやします。 暑がりの人が身体を温める作用のある唐辛子や羊肉を食べると、さらに熱がこもり吹き出物がでたり口内炎に...

健康な人向け 生活環境や季節、気候、年齢などを考慮して食材や料理を決めます。 病気の人向け まず、四診で証を見極めます。 バランスが崩れた原因を探り、偏りを改善する食材や料理を選びます。